【人事学望見】第1101回 出向と「個別的同意」 業務命令なら包括的合意で良い
2017.05.29
【労働新聞】
出向を命じるには、労働者の同意が必要だが、就業規則等に出向を命じ得る規定があり、出向によって賃金その他の労働条件等の面での不利益が生じないように制度が整備され、出向が実質的にみて配転と同視されるような場合には、労働者の個別的同意がなくとも命じられる。
労働協約等により裏付け
出向規定が整備されていたため、会社側の勝利となった裁判例の典型が新日鐵(日鐵運輸第2)事件(最二小判平15・4・18)である。
事件のあらまし
原告らは、製鉄会社内の構内鉄道輸送業務に従事していた。会社は、業界全体の不況に際し、業務委託と出向を内容とする再構築計画を策定し、各対象者に承諾を求めるという方法で出向者を決定した。しかし、原告らが同意しなかったため会社は労組の了解を得たうえで原告2人に出向を命令した。…
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
平成29年5月29日第3114号12面 掲載