【人事学望見】第1103回 始末書提出拒否を懲戒処分 権利濫用と判示される可能性大
2017.06.12
【労働新聞】
一般的に非違行為については、事実関係を明らかにするとともに、謝罪と再発防止の意を表明させるために始末書の提出が求められる。この始末書提出を拒否したことに対し、さらなる懲戒処分が可能かについては、裁判例では、肯定説と否定説に分かれている。
個人の良心の自由に触れ
まずは、否定説の福知山信用金庫事件(大阪高判昭53・10・27)をみてみよう。
事件のあらまし
金融機関である会社は、不正集金を行って有罪判決を受けた組合執行役員を諭旨解雇処分とした。
これに抗議する運動を就業時間中に行っていたとして、会社はAらを11日間の謹慎処分に付したところ、Aらは2日間にわたって出勤し、さらに会社の申請による立入禁止処分命令を発した裁判所に対しても抗議行動を行った。…
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平成29年6月12日第3116号12面 掲載