【産業カウンセリングの現場から】第148回 多段階の「生き方・働き方」
2017.11.09
【安全スタッフ】
充実した日々のなか後輩が自殺
平成23年10月1日、大きな転機が訪れました。前の日まで企業の課長だったのが、この日から山形大学の教授になったのです。関東から山形に住む場所が変わり、仕事内容は技術系の仕事からキャリア支援になるなど、この日を境に生活も仕事も大きく変わりました。後から振り返ると、これは「多段階(マルチステージ)」の生き方・働き方のひとつでした。これまでは「教育」「仕事」「引退」という3段階の生き方・働き方が多く見られました。しかし、これからは「教育」と「仕事」を複数回経験する多段階の生き方・働き方が増えると予想されています。
私は秋田大学で電子工学を学び、その後、東北大学大学院で音響工学を学びました。28歳になり民間企業(関東の警備業)の研究所で技術者として働き始めました。これが私の第1段階での教育と仕事です。私は技術者というアイデンティティを得て、音響技術を用いたセンサー開発や声で開く鍵の研究など、意欲的に仕事をしました。
充実した日々を過ごし数年経ったあるとき、後輩が自殺しました。…
執筆:山形大学理学部 教授 キャリアコンサルタント
日本カウンセリング学会認定カウンセラー 小倉 泰憲
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平成29年11月15日第2294号 掲載