【裁判例が語る安全衛生最新事情】第285回 ネットワークインフォメーションセンターほか事件 出向社員の過労自殺で元・先に責任 東京地裁平成28年3月16日判決
2017.11.27
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
被災者亡Aは、大学在学中に、アルバイトとして被告Y1社に雇用され、損保会社から委託していたコールセンター受付などとして勤務後、大学卒業後の平成16年5月に正社員として雇用され、当初はコールセンターに勤務し、1年後にマネージャーに昇格するなど、Y1社代表のY3から直接の指導を受け信頼を得ていた。その後、平成23年10月1日から、Y1社の命でY2社に出向し、チョコレートの販売事業に従事した。Y2社は、Y3が平成23年6月30日に全株式を取得して代表取締役に就任していた。Y2社には、社長代行としてY1社の取締役Bが配置されていた。
Y2社に出向後、亡Aの時間外労働時間は、10月1日から10月20日までの間は約69時間、10月21日から11月20日までは約172時間(休日労働が約32時間)、11月21日から12月20日は約186時間(休日労働が約24時間)であった。
亡Aは、平成23年10月28日に事業場のある建物の非常階段に索状(さくじょう)物をかけて縊死(いし)した。
亡Aの両親X1、X2が、Y1社、Y2社、Y3を被告として損害賠償請求訴訟を提起した。なお、Y1社の取締役Bが補助参加している。…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成29年12月1日第2295号 掲載