【人事学望見】第1124回 履歴書「罰」にまつわる不思議 確定判決以外は記載を求めない
2017.11.21
【労働新聞】
経歴詐称は、懲戒処分の代表的なものである。学生運動華やかなりしころは、運動歴を隠すケースが続出した。すべての経歴詐称が対象となるわけではなく、真実を告知しなかったであろう重大な経歴詐称に当たる場合に懲戒解雇が有効とされることが多い。
有罪が強く予想されても
モデル裁判例として挙げられるものに炭研精工事件(最一小判平3・9・19)がある。
事件のあらまし
一審原告A(控訴人・上告人)は、中学または高校卒業者を募集対象としてプレス工または旋盤工の求人申込みをしていたY社に応募し、採用された者である。
Aは、応募の際提出した履歴書に、最終学歴を高校卒業と記載し大学中退の事実は記載していなかった。
また、有罪判決を受けることになる刑事事件(原告が参加したデモを警備していた警察官に空きびん、石等を投げたことにより、公務執行妨害で逮捕、身柄拘束を受けた)の裁判の最中であり、保釈中であるにもかかわらず、「賞罰なし」と記載していた。…
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
平成29年11月20日第3137号12面 掲載