【裁判例が語る安全衛生最新事情】第195回 浜岡原発事件 孫請け作業員への安全配慮義務 静岡地裁平成24年3月23日判決
2014.02.15
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
原告X1は亡Aの妻、X2、X3は亡Aの子どもらである。亡Aは、昭和61年9月から平成16年8月までM社に雇用されて浜岡原子力発電所内においてメンテナンス業務に従事していたが、平成16年8月30日に腹部の異常を訴えて入院し、9月9日に腹膜原発悪性中皮腫と診断され、翌年6月死亡した。業務の発注者は電力会社である被告Y1社であり、それを元請けである被告Y2社が請負い、さらに下請業者である被告Y3社が請負い、さらにM社が請負う重層請負構造になっていた。
X1らは被告Y1、Y2、Y3らの安全配慮義務違反、被告Y1社の工作物責任を理由として、損害賠償請求訴訟を提起した。…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成26年2月15日第2204号 掲載