【裁判例が語る安全衛生最新事情】第200回 萬屋建設事件 過重業務によるうつ病自殺への賠償 前橋地裁平成24年9月7日判決
2014.05.01
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
原告X1は亡Aの妻、原告X2~X4は亡Aの子らである。亡Aは、建設会社である被告Y社に勤務していたが、過重労働の結果うつ病になり自殺したものである。亡Aは、Y社において土木工事現場の現場代理人や現場での指揮を行う監理技術者などとして勤務していた。
Y社は、国土交通省からGダム管理用通路整備工事を受注し、亡Aは現場代理人兼監理技術者として勤務していた。その工期は平成18年7月19日から平成19年1月31日とされていたが、国土交通省から受け取った図面をもとに測量したところ、図面の通路の位置が現場と水平方向に約2mずれていることが判明したために図面を作成し直したうえで設計変更をする必要が生じ、工事に着手することができず、約40日間工事が中断した。そのため、亡Aは当初平成19年1月31日とされていた工期を同年4月14日にするように国土交通省に要請していたが、国土交通省は、工期を平成19年3月30日までに延期するということを決定した。…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成26年5月1日第2209号 掲載