【裁判例が語る安全衛生最新事情】第203回 山口工業外事件 石綿肺がん死の損害賠償請求を棄却 東京地裁平成24年10月30日判決
2014.06.15
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
亡Aは、昭和42年4月から昭和63年9月まで被告Y1社に勤務し、建設、はつりなどの業務を行い、つづいて昭和63年9月から平成12年11月まで被告Y2社に建設、解体、はつり工として勤務した。
亡Aは、平成11年頃からじん肺症、肺線維症、慢性気管支炎などと診断され、入退院を繰り返し、平成19年11月には東京労働局長よりじん肺管理区分3ロの決定を受け、平成20年1月に健康管理手帳を受けた。その後、平成20年5月に肺がんで死亡した。亡Aの妻X1、亡Aと妻X1の間の子4人のうち3人(X2、X3、X4)が、亡Aは建設現場において大量の石綿粉じんにばく露してじん肺、肺がんなどに罹患して死亡したとして、被告Y1社、Y2社に安全配慮義務違反による損害賠償責任を、被告国に石綿による健康被害が発生することを防止するために必要な規制権限を行使しなかったことが国家賠償法違反であるとして損害賠償請求訴訟を提起した。…
執筆:弁護士 外井 浩志
この記事の全文は、安全スタッフの定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
平成26年6月15日第2212号 掲載