【裁判例が語る安全衛生最新事情】第206回 尼崎工場周辺住民アスベスト事件 中皮腫罹患住民に対する企業と国の責任 神戸地裁平成24年8月7日判決
2014.08.01
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
本件は、被告Y社の尼崎にある旧神崎工場(以下「本件工場」)の周辺住民2人(亡A、亡B)が本件工場から排出された石綿(アスベスト)粉じんにばく露し、いずれも中皮腫に罹患して死亡したとして、亡Aの遺族X1と亡Bの遺族X2~X4らが、被告Y社に大気汚染防止法25条1項、民法709条に基づき、被告国に国賠法1条1項に基づき損害賠償請求をした事案である。
亡Aは、昭和29年から昭和50年までY社の本件工場から南南東200メートルの地点にある機械工場で勤務しており、亡Bは、昭和35年10月から平成9年まで本件工場から東約1400メートル地点や、北東約1100メートルの地点で居住していたというものであり、亡A、亡BともにY社の本件工場で勤務していた労働者ではなかった。…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成26年8月1日第2215号 掲載