【裁判例が語る安全衛生最新事情】第208回 建設アスベスト東京事件② 国の規制権限不行使に関する責任 東京地裁平成24年12月5日判決
2014.09.01
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
本件は、建設業に従事した作業者またはその遺族337人が、国と建材の製造・販売業者ら42社に対して、アスベスト粉じんにばく露したことにより、石綿肺、肺がん、中皮腫などのアスベスト関連疾患に罹患したとして被告国に対しては国家賠償法1条1項による賠償責任を、被告である建材製造・販売業者らは民法719条により共同不法行為により連帯して責任を負うとして賠償請求した事案である。今回は、被告国の責任について紹介する。
Ⅱ 判決の要旨
1、石綿粉じんばく露防止についての被告国による規制の必要性
石綿粉じんばく露防止策が、事業者や石綿含有建材の製造・販売企業によって現実に講じられることがなかったことは粉じんばく露の実態や建築現場における防じんマスクの着用および備え付け状況、石綿含有建材らの注意義務違反などからして明らかであるところ、…
執筆:弁護士 外井 浩志
この記事の全文は、安全スタッフの定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
平成26年9月1日第2217号 掲載