【裁判例が語る安全衛生最新事情】第211回 東急ハンズ事件 損害額算定における損益相殺 神戸地裁平成25年3月13日判決
2014.10.15
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
原告X1は亡Aの妻、原告X2は亡Aの長男である。亡Aは、被告Y社の社員として勤務していた。Y社は、住まいと住生活、手作り製品、工具、素材、部品などの総合専門小売業を営んでいる会社であるが、亡Aは平成9年4月に入社し、一店舗経験のうえ、開店の準備をしたうえで当該店舗のキッチンフロアを担当していたが、平成16年3月26日に心臓性突然死により死亡した。
亡Aの業務内容は、2階キッチンの売り場(アイテム数約7000)を担当し、部下に3人のアシスタントがいた。接客が中心ではあるが、問屋やメーカーなどとの連絡、仕入れの事務作業、値付け、商品の陳列(品出し)、ポップシートの製作依頼・展示などもあった。
亡Aの労働時間数であるが、時間外労働時間数は、死亡前直前1カ月間が89時間4分、その前1カ月間が92時間7分、その前1カ月間が69時間33分となる。労基署長は、亡Aの死亡を業務上災害として、遺族補償、葬祭料を支給した。原告X1らは、Y社の安全配慮義務違反または不法行為による損害賠償請求訴訟を起こした。…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成26年10月15日第2220号 掲載