【裁判例が語る安全衛生最新事情】第214回 医療法人雄心会事件① 新人技師の自殺で予見可能性を否定 札幌地裁平成24年8月29日判決
2014.12.01
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
原告X1、X2は被災者亡Aの両親である。亡Aは、平成21年4月にY法人の経営する病院に入社して、臨床検査技師として勤務した。その病院の臨床検査科には上司である係長B、先輩の検査技師C、助手Dがいた。亡Aは、入社からわずか半年後の平成21年10月17日に、帰宅後遺書を残して自殺した。
その病院の検査科で、亡Aは平成21年8月14日のお盆休み明けの頃から、超音波検査の研修を開始したが、研修内容はかなり難しく、B係長も亡Aに自習を勧め、亡Aは業務の終了後頻繁に専門書を読み、B係長またはCからレクチャーを受けるなどした。死亡直前の1カ月は自習時間を含めると残業は96時間となっていた。10月17日には、学会出席のためB係長とDが休暇で不在にしていた時に、亡Aが遅刻したために、B係長が病院に駆け付け、…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成26年12月1日第2223号 掲載