【裁判例が語る安全衛生最新事情】第215回 医療法人雄心会事件② パワハラが急性うつ病自殺の契機に 札幌高裁平成25年11月21日判決
2014.12.15
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
本件は前回(214回)の一審判決(札幌地裁平成24年8月29日判決)の控訴審である。原告X1、X2は被災者亡Aの両親であり、亡Aは、平成21年4月にY法人の経営する病院に臨床検査技師として入社して勤務した。その病院の臨床検査科には係長B、先輩の検査技師C、助手Dがいた。亡Aは、平成21年10月17日に帰宅後に遺書を残して自殺した。その病院の検査科で、亡Aは平成21年8月14日のお盆休み明けの頃から、超音波検査の研修を開始したが、研修内容はかなり難しく、B係長も自習を勧め、亡Aは業務の終了後頻繁に専門書を読み、B係長またはCからレクチャーを受けるなどして、自習を含めると残業が増加した。また、業務の負担も重く、亡Aは友人などから痩せたといわれるようになった。…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成26年12月15日第2224号 掲載