【裁判例が語る安全衛生最新事情】第168回 米軍横須賀基地アスベスト事件 石綿による死亡と国の安全配慮義務 横浜地裁横須賀支部平成21年7月6日判決
2013.01.01
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
被災者亡Aは、昭和52年8月に被告国に雇用され、米海軍横須賀基地の施設本部(PWC)に所属し、冷蔵、空気調節機械工として勤務していたが、平成7年3月1日からはエンジニア専門職として勤務することになった。
亡Aが冷蔵および空気調節機械工として従事した作業は、冷蔵庫の修理、解体を行う際に、冷蔵庫の配管、ダクトから断熱材を撤去する作業があり、また、窓付型エアコンを住宅や工場、倉庫に設置するため外壁を切断して壁に穴を開ける作業、冷房装置の修理の際にダクトを被覆している保温剤をはがし、修理後に再び取り付ける作業などがあり、アスベスト粉じんにばく露する可能性のある作業に従事していた。
亡Aは、平成18年1月17日の入院の際に胸膜中皮腫を疑われ、同年4月10日の入院時に胸膜中皮腫と診断され、平成19年5月19日に死亡した。
亡Aの妻X1と子X2、X3とが、被告国に対し安全配慮義務違反を理由として損害賠償請求訴訟を提起した。…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成25年1月1日第2177号 掲載