【裁判例が語る安全衛生最新事情】第169回 九電工事件 長時間労働による自殺への損害賠償 福岡地裁平成21年12月2日判決

2013.01.15 【安全スタッフ】
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Ⅰ 事件の概要

 被災者亡Aは大学卒業後、Y社に勤務して空調管技術部において空調衛生施設工事などの現場監督をしていた。被告Y社は電気通信工事等を目的とする株式会社である。

 亡Aは、大手建設会社からY社が請負った新築ビルの各階の天井裏にエアコンを設置し、その排気用のダクトを取り付ける空調設備工事、各階のトイレや洗面所に便器、手洗いなどの衛生設備を設置し、それに給排水管を取り付ける衛生設備工事を内容とする本件工事の現場監督となり、平成15年8月以降、本件工事にとりかかった。ところが、その後、日中は現場巡視や元請・下請会社との協議連絡、現場作業員への対応に追われ、午後5時以降に時間と労力を要する施工図の作成・修正の作業を行い、肉体的・心理的負荷を受けてうつ病になり自殺した。…

執筆:弁護士 外井 浩志

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平成25年1月15日第2178号 掲載
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