【裁判例が語る安全衛生最新事情】第171回 日本通運事件 疾病者への健康管理上の安全配慮義務 大阪地裁平成22年2月15日判決
2013.02.15
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
被告Y社は、貨物運送業、旅行業などを営む会社である。亡Aは昭和44年に高校卒業した後にY社に入社して、旅行部門の業務に携わっていたが、平成4年にC型肝炎の診断を受けて通院治療を受けており、平成16年5月に転院してインターフェロン治療のために入院をすることとなって、その退院後も週3回通院して、インターフェロン治療を継続することになった。
亡Aは、平成13年12月からY社の子会社であるK社に出向して成田空港で勤務していたが、平成16年4月1日からY社の関西空港支店に配属され、同年10月1日からはY社の大阪旅行支店の営業推進グループに配属されていた。
関西空港支店での上司である次長Bは、亡Aに対してインターフェロンの治療を受けていることを非難する趣旨の発言をし、さらに退院後に復職を求めた際にもB次長は、退職を示唆するなどの発言をするに至った。亡Aは、精神的な衝撃を受けて、うつ病になった。そして、約2年3カ月後に自殺した。…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成25年2月15日第2180号 掲載