【裁判例が語る安全衛生最新事情】第181回 リゾートソリューション事件 石綿粉じん間接ばく露への損害賠償 さいたま地裁平成23年1月21日判決
2013.07.15
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
被告Y社は、石綿管を製造する工場を経営していた会社である。原告X1~X5は、元従業員がY社の工場で勤務していた亡A、亡Bの遺族である。亡Aの遺族が子X1、子X2であるが、亡Aは、昭和21年3月から昭和49年3月までY社の工場で勤務しており、亡Cは昭和44年1月から昭和61年1月までY社の工場で勤務していた。なお、X1とX2は、同居していた亡A、亡C(弟)が仕事により付着していた石綿粉じんにより自ら石綿粉じんにばく露して被害を受けたと主張した。亡Bの遺族が子X3~X5であるが、亡Bは昭和23年7月から昭和46年4月までY社の工場で勤務していた。亡A、B、Cらは石綿肺、悪性中皮腫、石綿による肺がんなどに罹患して死亡した。
X1~X2は、亡Aが死亡したのはY社がその安全配慮義務を怠ったからである、さらに自らも被害を受けたのはY社の過失による不法行為責任があるとして、Y社に対して損害賠償請求訴訟を提起した。X3~X5は亡Bが死亡したのはY社が安全配慮義務を怠ったからであるとして、Y社に対して損害賠償請求訴訟を提起した。…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成25年7月15日第2190号 掲載