【裁判例が語る安全衛生最新事情】第184回 日本通運・ニチアス事件 事務員の石綿ばく露と安全配慮義務 大阪地裁平成23年3月30日判決
2013.09.01
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
原告X1は亡Aの妻、原告X2、X3は亡Aの子である。亡Aは、昭和31年4月に自動車貨物運送業を営むY1社に勤務していたが運転手ではなく正社員の事務員として勤務し、平成9年に定年退職した。被告Y2社は石綿製品の製造販売などを目的とする会社であるが、その王寺工場では、石綿ジョイントシートやグランドパッキンなどのシール材、石綿保温材、石綿糸・石綿織布などの紡織品を製造していたが、Y1社はY2社王寺工場で用いる石綿原料の搬入・運搬、石綿製品の搬出・運搬を取り扱っていた。亡Aは、昭和44年7月1日から昭和46年8月末まで、Y1社の王寺支店にいてY2社担当の主任としてY2社の王寺工場に常駐していた。
亡Aは定年退職後の平成13年12月に胸水が確認され、平成14年4月に悪性胸膜中皮腫と判断され、平成17年2月に死亡した。…
執筆:弁護士 外井 浩志
この記事の全文は、安全スタッフの定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
平成25年9月1日第2193号 掲載