【産業カウンセリングの現場から】第66回 見えにくい「うつ」を「見える化」
うつ病予防を各地で講演
昨年10月に、香川から東京労災病院に研究拠点を移し、労働者健康福祉機構・研究ディレクターを担い、メンタルヘルス不調の予防・診断にかかる研究と(治療と就労の)「両立支援」に取り組んでいます。これまで以上に、産業保健、労働衛生との連携を大切にして、じっくりと仕事を進めたいと思っています。その一環として、昨年11月から今年3月まで12都県の産業保健推進センターなどが主催の研修事業「これからのメンタルヘルス」にて講演をしています。産業医・保健師・カウンセラー・人事労務・衛生管理者を対象に、うつ病などの予防と就労支援に関する基本的な知識と新しい知見について話をしています。
具体的には「事例性と疾病性」「バイオ(生体)・サイコ(心理)・ソシオ(社会)」といった切り口から難渋する事例を見直してみること、睡眠不足・過重労働とうつ病の近縁性を脳のバイオ所見から証し、予防に生かす試み(※1)、また、両立支援のため事業場内外で連携する際に不調者の「今、ここ」をアセスメントする手法の紹介(※2、3)などかなり欲張った120分ですが、各地の皆さんからの質問や感想からバイタリティとレジリエンスをいただいているように思います。本稿では、この研修シリーズの主要テーマの一つである「うつ」再考について、以下にまとめたいと思います。…
執筆:(独)労働者健康福祉機構 本部研究ディレクター
東京労災病院 勤労者メンタルヘルス研究センター長 小山 文彦
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