【産業カウンセリングの現場から】第77回 儲ける前に人を育てる
2014.08.01
【安全スタッフ】
労災申請過去最多を更新
平成25年度の脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況が6月に厚生労働省から公表された。最新データから職場のメンタルヘルス対策を再考したい。過労やいじめでうつ病などの「心の病」(精神疾患)を発症したとして労災申請した人数は1409人で過去最多を更新した。労災認定者も436人で前年度に次いで2番めに多く、うち自殺(未遂を含む)が63人(前年度93人)であった。
原因別では「仕事の内容や量の変化」「嫌がらせやいじめ(パワハラ)、暴行」(ともに55人)がトップ。「セクハラ」(40人)は「パワハラ」とともに過去最多となった。これは平成23年にパワハラ、セクハラの認定基準が変わって労災認定されやすくなったことが影響したとみられる。
長時間残業者の割合減る
この傾向とも関連しそうなデータが、認定者の残業時間数別割合である。試算すると前年度との比較で、月に80時間以上の割合(その他を除く)は55%から43%に、自殺(未遂含む)者においては69%から55%へと大幅に下がっている。逆に…
執筆:大正大学人間学部臨床心理学科 教授
日本産業カウンセリング学会 大会準備委員長 廣川 進
この記事の全文は、安全スタッフの定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
平成26年8月1日第2215号 掲載