【産業カウンセリングの現場から】第51回 労災ゼロはメンタルヘルス対策から
2013.07.01
【安全スタッフ】
被災者に深刻な悩みが……
7月1日から全国安全週間が始まります。私は昨年から埼玉県でメンタルヘルス対策支援センターの促進員をしておりますが、以前は東北地方で労働基準監督官として30数年間勤務していました。6月の準備月間から7月にかけては、各地区や各団体の安全大会や安全パトロールで大変忙しい時期でした。この促進員の仕事を通じて改めて痛感したのは、労働災害防止のためにも、職場のメンタルヘルス対策を行うことがいかに大事かということです。
ずいぶん以前のことですが、トンネル内で重機との接触事故により労働者の死亡事故が発生し、労働安全衛生法違反として送検した事件がありました。調査の過程で関係者から、被災者は家庭の問題で深刻に悩んでいたと聞きました。その時は違反状態は明確であり、何の関係があるのかと受け止めただけでした。しかし、その後も労働災害の被災者(特に多発した交通災害など)が、大きなストレスを抱えているケースが少なからずありました。しかも多くの場合、…
執筆:メンタルヘルス対策支援センター(埼玉産業保健推進センター内) 促進員 吉田 ひさ
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平成25年7月1日第2189号 掲載