【裁判例が語る安全衛生最新事情】第217回 横河電機事件② うつ病発症で4カ月間全額損害認める 東京高裁平成25年11月27日判決
2015.01.15
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
前回、一審判決(東京地裁平成24年3月15日判決)を紹介したが、引き続き控訴審判決を紹介する。
原告Xは、大学卒業後にシステムエンジニアとして被告Y1社のグループ会社に入社し、その後、平成15年11月から、Y1社に移籍して基本ソフトウェア設計などの職務に従事していた。XはY1社システム事業部のEチームに配属され、ソフトの改造、ドライバ・ソフトの開発業務を行っていた。そのEチームのリーダーはA、サブリーダーは被告Y2とBであり4人で構成されていた。
Xは、Y2から長時間の残業を強いられ、さらに罵倒、誹謗中傷、責任転嫁など人格を否定するようなパワーハラスメントを繰り返し受けたことにより、肉体的・精神的に疲労困ぱいしてうつ病に罹患し、平成17年12月から平成18年2月まで休職した。しかし、復職後も平成18年10月から再度休職することになり、平成20年11月から勤務を再開したが、それは試験期間としての仮復職であった。その後もXは体調不良で休暇が多かったために、Y1社は仮復職を取り消して、Xは平成21年1月30日付でXは退職することになった。Xは、退職を余儀なくされたとして、Y2に対して不法行為責任を、Y1社には使用者責任または安全配慮義務違反を理由とする損害賠償請求訴訟を提起した。…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成27年1月15日第2226号 掲載