【裁判例が語る安全衛生最新事情】第221回 七十七銀行女川支店事件 津波被災で死亡も避難指示に合理性 仙台地裁平成26年2月25日判決
2015.03.15
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
本件は、被告Y銀行女川支店の従業員が平成23年3月11日の東日本大震災の津波の時に、支店屋上に避難したが、津波がその高さまで押し寄せたために被災したという事故について、銀行の安全配慮義務違反が問われた事件である。
平成23年3月11日の午後2時46分に大地震が起き、その地震による津波が女川町にも及んだ。海岸から約100mの距離にあったY銀行女川支店では、A支店長のほか、行員2人、派遣社員ら11人、合計14人が勤務していた。震災当日はA支店長は出張で支店にはいなかったが、地震直後に帰社した。その後に1人の派遣社員Bが子どもを見に自宅へ帰りたいというので帰宅させた。
残りの従業員12人は、A支店長が津波警報を受けて避難場所に指定されていた支店の屋上(2階屋上まで約10m、3階の搭屋まで13.3m)に避難させた。ところが、津波はその従業員ら13人全員をのみ込み、…
執筆:弁護士 外井 浩志
この記事の全文は、安全スタッフの定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
平成27年3月15日第2230号 掲載