【裁判例が語る安全衛生最新事情】第222回 江府町スキー場事件 雪崩による死亡で営造物の瑕疵認める 松江地裁平成26年3月10日判決
2015.04.01
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
原告X1~X6は、被災者亡A、亡Bの遺族らである。被告Yは、スキー場を管理している町である。本件は、Y町の管理運営するスキー場のパトロール員として勤務していた亡Aと亡Bとが、そのスキー場で発生した雪崩に巻き込まれて、雪中に埋没して死亡したという事案である。
本件スキー場は、大山の南側に位置する山地の豪雪地帯にあり、冬期には多くのスキーヤー、スノーボーダーで賑わう。女良谷コースは、事故現場であり、本件スキー場のゲレンデの一つである。
平成22年12月31日午後0時40分頃、スキー場の利用者から、女良谷コースの上部で雪崩が発生した旨の通報があり(以下、「第1雪崩」)、その情報を確認するために亡A、亡Bほか4人が、第1雪崩の発生現場の人的被害の確認および現場での封鎖の作業に当たった。ところが、午後1時5分頃、第1雪崩の起きた東側斜面に雪崩が発生し(以下、「第2雪崩」)、亡A、亡Bほか2人がその第2雪崩に巻き込まれた。…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成27年4月1日第2231号 掲載