【裁判例が語る安全衛生最新事情】第223回 メイコウアドヴァンス事件 パワハラから1週間後の自殺に企業責任 名古屋地裁平成26年1月15日判決
2015.04.15
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
被告Y1社は、金属琺瑯加工業および人材派遣業を営む株式会社であり、Y2はその代表取締役社長、Y3は同社の監査役でY2の妹である。
亡Aは、Y1社に勤務し、搬入された鉄部品を琺瑯加工する前の脱脂、酸洗い、ニッケル処理、中和・乾燥などの前処理業務に従事しており、その他、製品の検査、梱包などに関する業務を行っていた。
亡Aは、Y1社内の仕事において、設備や機械を損傷するという事故をしばしば起こし、Y2から、「てめえ、何やっているんだ」「どうしてくれるんだ」「ばかやろう」と怒鳴られ、さらに、頭を叩く、殴る、蹴るなどということも数回あった。
平成21年1月19日、Y2は、亡Aに対して大腿部後面を左足、左膝で2回蹴るなどの暴行を加え、全治12週間を要する両大腿部挫傷の障害を負わせた。そして、同月23日に退職届を出すように強要し、亡Aは退職届の下書をさせられた。そして、その退職届には、一族で誠意をもって損害を2カ月以内に返済すると書かれていた。…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成27年4月15日第2232号 掲載