【裁判例が語る安全衛生最新事情】第241回 住友電工ツールネット事件 月80時間残業と心疾患に因果関係 千葉地裁平成26年8月29日判決
2016.01.15
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
被告Y社は、N社グループの完全子会社で、N社グループのM社が製造する超硬工具製品、工具周辺機器などを販売する工具専門商社である。亡Aは、Y社営業所所長をしていた。原告X1はその長男である。
亡Aは、営業所の所長であり、内勤としては営業報告書の作成、営業所の従業員の出退勤の管理、主張旅費精算の承認、会議資料の作成、伝票の決済、入出金管理などを行い、自ら一部営業も行っていた。
亡Aは、平成17年6月26日に急性心筋梗塞により死亡したが、その年の4月、5月において医師から急性心筋梗塞症の疑いなどと診断され、各種検査を受けた結果、上室性・心室性の期外収縮、ブルガタ型様の心電図波形が認められて経過観察とされていた。
亡Aが死亡し、その相続人である長男XがY社に対して、安全配慮義務違反による損害賠償請求訴訟を提起した。…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成28年1月15日第2250号 掲載