【裁判例が語る安全衛生最新事情】第242回 アズコムデータセキュリティ事件 配置換えによる不安障害の責任認めず 東京地裁平成26年12月24日判決

2016.02.01 【安全スタッフ】
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Ⅰ 事件の概要

 被告Y社は、文書管理のための総合コンサルティング事業、コンピュータシステムに係るソフトウェアの開発と販売などを目的とする会社。Y社は新たに延長保証事業を開始することとし、平成24年3月に原告Xを従業員として年俸960万円という高額の給与で採用した。しかし、延長保証事業部門はうまくいかず、Y社は延長保証部門を閉鎖することにし、X他2人を解雇した。その解雇について労働審判、訴訟となり、XはY社に復帰することとなった。

 そして、Xは、越谷セキュリティセンターでの勤務を命じられ、平成25年8月12日に集配業務に従事したが、翌13日から同月18日まで欠勤し、同月19日からは出勤した。しかし、Xは平成25年8月24日に主治医から不安障害にり患していると診断され、XとY社との間で同年11月30日まで欠勤することで合意した。その後、同年11月20日に、Y社役員とXは面談して復帰の際の給与減額を条件とすることを協議したが、その条件についてXの代理人であるA弁護士とY社との間でやりとりをしており、Xは同年11月30日に、主治医の「症状が改善しているため復職に関して問題なしと考える」旨の診断書をY社に送付した。…

執筆:弁護士 外井 浩志

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平成28年2月1日第2251号 掲載
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