【裁判例が語る安全衛生最新事情】第250回 X塗装工業事件 塗装工の石綿肺による死亡で賠償責任 大阪地裁平成27年4月15日判決
2016.06.01
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
亡Aは、被告Y社の塗装工として、昭和26年6月~平成10年6月までの約47年間にわたって、Y社の請負った塗装工事の現場で塗装作業に従事し、平成10年に体調を崩してY社を退職した。平成14年8月に左右肺野に分布する網状影、胸膜肥厚と石灰化が認められ、石綿肺と診断され、平成15年6月間質性肺炎で死亡した。
原告Xは亡Aの妻であり、亡Aの相続人であるが、遺産分割協議により、Y社に対する損害賠償請求権を単独取得した。
原告Xは、被告Y社に対して安全配慮義務違反を理由として損害賠償請求訴訟を提起した。…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成28年6月1日第2259号 掲載