【裁判例が語る安全衛生最新事情】第252回 クレイン農協事件 パワハラ自殺で自己保健義務理由に減額 甲府地裁平成27年1月13日判決
2016.07.01
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
亡Aは、被告Y1農協に平成20年に入組して、M支店に勤務していた。原告X1は亡Aの父、原告X2は亡Aの母である。Y1農協は主に共済事業、信用事業、購買・販売などを行っている農業協同組合であり、被告Y2はM支店の支店長であった。
亡Aは、業務の遂行の要領が悪く、Y1農協では、共済、貯金などの契約獲得の業務成績が悪く、亡Aに課されたノルマは他の職員の3分の1から4分の1程度であったが、それでもノルマの達成は芳しくなく、平成21年11月の時点ですでに毎月5万円を超える保険料または掛金の支払いを強いられ、平成22年度も2カ月で4%程度しかノルマが達成できない状況であった。
Y2は、亡Aに対して次の①~⑤のような行為を行っていた。…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成28年7月1日第2261号 掲載