【裁判例が語る安全衛生最新事情】第260回 サントリーホールディングス事件① パワハラと休職申出阻害で使用者責任 東京地裁平成26年7月31日判決
2016.11.01
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
被告Y1社は、平成21年4月にグループ再編のためサントリー株式会社を株式移転により設立された会社である。原告Xはサントリーに入社し、平成18年4月に購買予算と実績を管理する部門に配属されたが、上司にそのグループの長として被告Y2がいた。
① 誹謗中傷発言
Y2は、Xの仕事ぶりが気に入らずに、種々の厳しい指導をすることがあり、その指導をXが厳しいものと感じることが多くなり、平成19年4月にはE病院を受診し、うつ病と診断され、今後約3カ月の自宅療養を要するとの診断書が出されたが、その診断書には、XはY2から、「新入社員以下だ。もう任せられない」などと叱責された旨が記載されていた。…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成28年11月1日第2269号 掲載