【裁判例が語る安全衛生最新事情】第265回 四国化工機ほか事件② 出向先でのうつ病の予見可能性を否定 高松高裁平成27年10月30日判決
2017.01.15
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
前回(264回)の控訴審判決である。事案は、前回と同様、以下のとおりである。
Y1社は、徳島県に本社を置く食品充填機、包装機の製造、食品用包装資材の販売などを行っている会社であり、被告Y2社はその子会社であり、東京に本社を置く食品機械・食品包装機械のメーカーである。
亡Aは昭和62年にY1社に入社し、同年7月には設計部設計課に配属され、以後一貫して設計業務に従事してきた。
Y1社は、一部の設計製作事業をY2社に移管し、それに伴う技術者として亡AがY2社に出向することとなり、平成11年5月6日にY2社に出向した。Y2社では、同年5月8日に、常務取締役Cが、亡Aに対して、5月15日までに小型デザート機のUFSの改造設計をやってほしいと指示したが、亡AはUFSは初めての機械であり、さらにY2社における設計のCADソフトがY1社におけるものと異なっており、その取扱いに慣れずに苦慮していた。…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成29年1月15日第2274号 掲載