【裁判例が語る安全衛生最新事情】第269回 アイシン機工ほか事件① 誤操作の挟まれ災害で過失相殺6割 名古屋地裁岡崎支部平成27年5月26日判決
2017.03.15
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
原告Xはブラジル人であるが、被告Y1社に派遣社員として雇用され、被告Y2の工場に派遣されて、旋盤機械の作業を行っていた。
Xが旋盤機で作業中に、いわゆるチョコ停(一時的なトラブルが生じて設備が停止する状態で、ワーク(加工途中の粗形材)を除去するなどして、正常動作に復帰することができるもの)が生じたため、上司を呼ぶことなく、自ら処理しようとして、旋盤機内のワークの下に手を添えて排出チャックを緩めるボタンを操作して落下するワークを受け止めようとしたところ、誤って排出チャックを左右に移動させるボタンを押したため、右手環指が、ワークとフィンガーチャックの治具との間に挟まれて、右手環指切断の傷害を負った。…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成29年3月15日第2278号 掲載