【雇用社会の未来予想図~技術革新と働き方~】第2回 人工知能は雇用を奪うか/大内 伸哉
2018.01.22
【労働新聞】
初回の前回、機械が報酬の高い苦役から人間を解放することでそうした仕事が1つ消える大原則をまずは説いた筆者だが、AIが人間の雇用に影響を与えることを心配するよりも、人間が創造的な仕事をいかにしていくかが本質的な課題であることを今回教える。単純作業こそ機械に任せ、創造的な仕事を人間がこなすという、機械と人間の分業進化の段階にあることが分かる。
仕事効率は高まる 人間と機械の分業進化
特化型AIは実用化段階
雇用社会の未来予想をするうえで最も注目すべきなのは、人工知能(AI)が今後どこまで発達するかだろう。この「賢い」コンピュータのもつ可能性は、専門家だけでなく素人も交えて活発に議論がなされている。とくにAIが人間の知能を上回る「シンギュラリティ」をめぐっては、真剣に警告を発する人もいれば、2045年での到来は「ノストラダムスの大予言」レベルの話で、あり得ないことだという人もいる(専門家の間では後者の立場が多いようだ)。ただ、雇用との関係からいえば、「シンギュラリティ」論争からは、ひとまず距離を置いた方が良いだろう。
少なくともAIが人間と同じように仕事ができる「汎用型AI」は…
筆者:神戸大学大学院 法学研究科教授 大内 伸哉
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平成30年1月22日第3145号11面 掲載