【雇用社会の未来予想図~技術革新と働き方~】第3回 技術の発達からは逃れられぬ/大内 伸哉
2018.01.29
【労働新聞】
単純作業を機械に、人間は創造的な仕事こそを行う「分業進化」が進んでいる状況にあることを教えた前回に続く今回、「Society5.0」というほぼ確実視された将来像への備えについて筆者は説く。大きなメリットをもたらす上、技術の進歩に抗うべきでないことは歴史がすでに証明済みで、新たなスキルを身に付ける方が労働者にとっては重要であるとする。
労働者はスキルを 副作用のみに捕われず
Society5.0へ
私たち人類は約700万年前に誕生し、長い間、狩猟採集生活を送っていた(Society1.0)。現生人類(ホモ・サピエンス)が農耕を始めたのは、ほんの1万年前にすぎない(Society2.0)。そして200年ほど前の産業革命により工業社会となり(Society3.0)、40~50年ほど前に情報社会に突入した(Society4.0)。つまり、私たちの社会は、人類の長い歴史のなかにおける最近のごくわずかな期間に驚異的な進歩を遂げたのだ。そして現在、政府は、Society5.0に向かおうとしている。…
筆者:神戸大学大学院 法学研究科教授 大内 伸哉
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平成30年1月29日第3146号11面 掲載