【人事学望見】第1132回 頼りにならないユシ協定 解雇権濫用法理の前に屈して!
2018.01.29
【労働新聞】
ユニオン・ショップ協定下では、労働者は必ず労働組合に加入しなければならず組合を脱退したり除名された場合、会社は当該者を解雇しなければならない。ところが裁判例では過半数の労働者で組織されているにもかかわらず、その効力より解雇権濫用規制を重要視している。
主体的判断か否かが重要
「尻抜けユニオン」というのがあり、わが国のユシ協定はこれが大半を占めているのだそうだ。「組合員資格を失った者の解雇については、労使が協議して決める」とか「会社が解雇を不適当とみなしたときには、解雇しないことがある」といった例外を設けたもので、文字どおりユシ協定が尻抜けになっているものを指している。ところが、こうした腑抜けな協定ではなく、組合の団結権を補完するまっとうな協定でも否定される場合があり、油断ならない。
労働契約法制定に当たり、「解雇権濫用法理」に繋がった日本食塩製造事件(最二小判昭50・4・25)をみてみよう。…
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平成30年1月29日第3146号12面 掲載