【トップ&キーマンいんたびゅう】海外で土木プロジェクトを存分に
一昨年10月、総合建設コンサルタント会社インド現地法人の社長に就任した阿部玲子さん。海外に活動の場を求めて女性土木エンジニアの道を切り拓いた先駆者として名を馳せているが、施工指導のなかで培った安全管理のエキスパートでもある。その経歴をたどりながら、阿部さんならではの職業観についても語っていただいた。
――阿部さんといえば女性土木エンジニアの草分け、今の流行り言葉でいえばドボジョ(土木女性)のはしりと評されています。そこでまず伺いたいのは、どうしてこの道を選ばれたのか、ということです。
阿部 私の生まれ故郷は山口県で、幼いころ父親と関門海峡を見にいったとき、この海底には関門トンネルが通っていると聞かされ、その言葉に感化されてか「大きな物をつくりたい」と思うようになりました。それと、もともと数学は好きでしたが英語は大の苦手で(笑)、それで山口大学への進学でも英語をあまり必要としない工学系を選びました。工学部の中の土木を選択したのも深い理由があったわけじゃなく、モノづくりに一番興味を抱いていたからです。当時、土木系に女子学生がきたのは初めてで、先生方もこりゃ大変だと思ったらしいですよ。
――大学での勉強で、土木の仕事への気持ちがさらに強まったわけですか。
阿部 そうですね。トンネル工学の研究室の先生に工事現場に連れていっていただいたり、諸先輩とお酒を飲みながらトンネルをつくるエンジニアになる話をしたりしていて、研究室の出身者同様、私も当然そういう道を目指せると思っていました。…
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