【トップ&キーマンいんたびゅう】鳶職を極めつつ、人材の育成も
2017.02.15
【安全スタッフ】
「鳶職の仕事を極めたい。体の動く限り現場に出たい」「日本の職人の技術は世界のトップクラス」と、現職への愛着と矜持を語る多湖弘明さん(41歳)。一方ではHP開設、講演、著作本出版での情報発信によって業界のスポークスマン的な役割を果たし続けている異色の鳶職人である。
――多湖さんには『鳶 上空数百メートルを駆ける職人のひみつ』という著書があります。鳶職の仕事の実態が写真入りで綴られているのですが、インタビューでは核心部分、あるいは本誌を通じてアピールしたい考えとか建設現場の安全などについて語っていただけたらと思います。が、その前に、一つお伺いしておきたいのは、執筆された本ではプロローグとエピローグにおいて、お仲間の仕事中の事故死に触れていることです。その出来事が異色の鳶職人を生み、現在の幅広い活動へとつなげていく転機になっていたかと思うのですが。
多湖 確か21歳のころでしたね。それまでの私と建設業の関わりについてお話しますと、初めて興味を持ったのは中学3年のとき当時建築中だった大阪の梅田スカイビル工事現場の迫力に惹きつけられてからで、建設の道に進もうと決めました。そのため大学で建築の勉強をするつもりでいたのですが、高校卒業後に交通事故で長い入院生活を余儀なくされました。退院後、…
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平成29年2月15日第2276号 掲載