【イラストで学ぶリスクアセスメント】第56回 硫化水素中毒の災害防止
2013.07.15
【安全スタッフ】
長崎県佐世保市の水産物加工会社で今年5月末、直径約2.5m、深さ約2mの汚水槽の中で清掃をしていた3人が倒れて1人死亡、2人が重体の災害が発生しました。原因は、汚水槽内の海水の中に魚のウロコが混ざり、腐敗する過程で硫化水素が発生したとみられています。同僚が消防署にいち早く連絡して救出されたので、重体の2人は病院でその後、意識を取り戻しました。
製造業などの多くの事業所には、汚水槽・排水槽・貯水槽などがありますので、類似災害防止のために、今回は硫化水素(H2S)をテーマにします。H2Sの許容濃度は10ppmです。10ppmが眼の粘膜の刺激下限界です。20~30ppmになると、肺を刺激する最低限界、100~300ppmでは2~15分で嗅覚神経麻痺となります。…
執筆:中野労働安全コンサルタント事務所 所長 中野 洋一
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平成25年7月15日第2190号 掲載