【裁判例が語る安全衛生最新事情】第290回 糸島市事件② 自殺に企業責任認めるも過失相殺8割 福岡高裁平成28年11月10日判決
2018.02.09
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
被災者亡Aは、被告Y市に勤務していたが、公務上の心理的負荷のために精神障害を発症し、過労により自殺したとして、亡Aの遺族がY市に対して国賠法1条1項に基づいて損害賠償請求をした事案である。
亡Aは、昭和56年4月にY市の前身であるM町に採用され、その後、合併によりY市となったが、平成22年1月からは担当課長を務めていた。亡Aは、森林の保護、農業用施設、農道の維持管理などの業務を担当することになったが、さらに、難解な林地開発に関する許可業務や、合併に伴う条例案の策定、市議会への説明、住民説明会などがあり、その後の市議会への上程のために議案書、想定問答集や議員の説明に対する答弁書を策定した。…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成30年2月15日第2300号 掲載