【2020年4月1日施行 民法改正と人事労務】第6回 身元保証への影響(2) 極度額の書面明示を 損害担保契約にも適用か/片山 雅也
2018.02.19
【労働新聞】
前回は根保証の改正による身元保証への影響を検討した。今回は、根保証の改正が根保証の性質を有する身元保証だけではなく、損害担保契約の性質を有する身元保証についても影響を及ぼすのかについて検討し、連載第4回から続いた保証・根保証の改正と改正による身元保証への影響の解説を終了する。
根保証一般を規制
保証や根保証に関する民法の規定が改正された。人事・労務分野へ直接的な影響があると思われるのは、根保証に関する規定の改正である。根保証は、主債務者の債務を現在および将来発生し得るものも含めて包括的に保証する保証契約である。そのため、保証人の知らない間に保証債務が膨れ上がることになりかねず、極めてリスクの高い保証類型といえる。
改正前の民法では、主債務が貸金債務などの一定の債務であり、かつ、個人による根保証の場合、限度額となる極度額を定めることが義務付けられていた。
しかし、このような極度額が義務付けられるのは主債務が貸金債務などである場合に限られていた。とはいえ、不動産賃貸借の個人保証といった身近な例をみても、賃料滞納が長期化したり、建物の損傷等による損害賠償債務が発生したりすることを考えれば、保証人のリスクが高いことに変わりはなく、規制を貸金債務などに限定しておく必要性は乏しかった。…
筆者:弁護士法人ALG&Associates 代表執行役員 弁護士 片山 雅也
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平成30年2月19日第3149号6面 掲載