【2020年4月1日施行 民法改正と人事労務】第9回 定型約款(3) 就業規則に適用なし 定型取引きの要件欠く/片山 雅也
2018.03.12
【労働新聞】
これまで、民法改正に伴う定型約款の新規定について、2回にわたって解説してきた。最後となる今回は、定型約款のおさらいをした後、変更ルールに関する規定を解説し、定型約款に関する民法上の新規定が労働契約や就業規則にも適用されるのかについて検討する。
合意・不合意規定
保険加入や預金口座の開設、ネットでの買い物など、日常生活の様ざまな場面で約款を利用しているものの、多くの人は個別条項まで把握していないのが現状であろう。それにもかかわらず、約款の内容に拘束されることを前提として多くの取引きが行われている。しかし、民法上には約款に関するルールが規定されていない状態が続いた。
そこで、今回の民法改正に伴い、定型約款については一定の要件を満たせば、たとえその個別条項を把握していなかったとしても、その個別条項についても合意をしたものとみなされる規定が新たに設けられるに至ったのである。
たとえば、ネットショップで5万円のノートパソコンを購入した場合を想定してみよう。…
筆者:弁護士法人ALG&Associates 代表執行役員 弁護士 片山 雅也
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平成30年3月12日第3152号6面 掲載