【雇用社会の未来予想図~技術革新と働き方~】第9回 適職探しのススメ/大内 伸哉
2018.03.12
【労働新聞】
技術革新のスピードが、人を育てることに特徴がある日本型雇用をそう遠くない将来変質させ、その際、働き手に必要になるのは「転職力」だと前回筆者は説いた。政府が推進する「副業」がその好機となる可能性もある。個人にとっては適職探しの一助として、企業も必要な開放戦略を採ることで成長への活路を開く重要なツールだと今回は教える。
自らの進路は自ら 企業は開放戦略が必要
人材の同質性は足かせに
日本型雇用システムが変容するということは、1つの企業に長期的に勤務する人が減るということだ。転職が普通になるのは、刺激的ではあるが、苦労も多い。いったい自分にはどのような職業が向いているのか。それは自分の能力、適性、性格等が総合的にかかわる。自己評価だけでは不十分だし、周りの評価も必ずしもあてにはならない。
「十で神童十五で才子二十過ぎれば只の人」という格言は、10歳のときに神童でも、その後努力しなければ普通の人になってしまうという諫めだが、家族や近隣住民の間では秀才と評価されても、広い世間には同じレベルの人が大勢いて、客観的には凡人であることが多いという意味に解することもできる。自分の真の力を知るためには、…
筆者:神戸大学大学院 法学研究科教授 大内 伸哉
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平成30年3月12日第3152号11面 掲載