【雇用社会の未来予想図~技術革新と働き方~】第10回 真の格差問題とは何か/大内 伸哉
2018.03.15
【労働新聞】
「育てる」式から「買う」式へと日本の雇用は変わる――こう予測する筆者は今回、正社員と非正社員の格差問題を取り上げる。結論的には、非正社員の存在は不可欠だが、同様の格差問題はいつまでも続かず、正社員・非正社員の区別は意味を持たなくなるとみる。今後問題になるデジタル・デバイドという違う格差への対応を急ぐよう訴える。
ITへの対応可否 将来を分かつデジタル
「非正社員」は労使に必要
日本型雇用システムの抱える問題としてよく指摘されるのが、正社員と非正社員との間の格差だ。安倍晋三首相は、「日本から『非正規』という言葉をなくす」と宣言し、格差の解消への意欲を強く示している。政府が推進している同一労働同一賃金は、本来、同一(価値)の労働には、同一の賃金を払うべきという議論だが、広く正社員と非正社員の間の格差是正という文脈で用いられている。
法律上も、2012年以降は格差是正をめざす改正が相次いだ。…
筆者:神戸大学大学院 法学研究科教授 大内 伸哉
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平成30年3月19日第3153号11面 掲載