【人事学望見】第1144回 労災の通災認定と飲酒付会合 アルコールは業務性否定を強調

2018.04.19 【労働新聞】
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どこでも嫌われ者に!

 酒食を伴う社内会合へ出席後の事故について、裁判例ではアルコールにはことのほか厳しい。通勤災害では、飲酒運転はもってのほか、ならば徒歩中なら情状酌量の余地ありとなるか。業務災害では一滴もアルコールを飲まなかった者の業務遂行性は? 以下に紹介する。

命令に従い不幸な結果

 歓送迎会終了後の送迎中、事故に遭遇して亡くなったというまことに不幸な事案がある。行橋労基署長事件(最二小判平28・7・8)は、アルコール付きの歓送迎会出席について業務遂行性が争われたが、本人は一滴も酒を口にしていなかった。最高裁まで争われたのだから、単に酒がらみと片付けられない。

 事件のあらまし

 被災労働者Aは、社長業務を代行しているB部長から、中国人研修生の歓送迎会に参加してほしい旨の強い意向を示されたが、社長に提出すべき資料の期限が迫っていたところからいったんは断っていた。…

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平成30年4月23日第3158号12面 掲載
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