【最近の書類送検事件】埼玉・春日部労基署ほか
安全スタッフ、労働新聞の記者が全国で起きた書類送検を調査し、主な事件を掲載しました。カッコ内は、書類送検した日付。毎月1日号掲載。
埼玉・春日部労基署は、墜落防止措置を講じなかったとして建設会社と同社職長を安衛法違反容疑でさいたま地検に書類送検した。介護老人保健施設の建設現場で、足場の組立て作業に従事していた作業員が、高さ約13mの足場上から地上に墜落し、死亡した災害で、防網の設置や安全帯を使用させていなかった疑い。(H28・7・1)
広島・三原労基署は、作業間の連絡調整を行っていなかったとして造船会社と同社係長を安衛法違反の疑いで広島地検呉支部に書類送検した。労働者が船舶修繕のために、ドック付近に設置されたジブクレーンの走行装置とドックサイドの手すりとの間に挟まれて死亡した。(H28・7・1)
長崎・諫早労基署は、墜落防止のために中さんを設置していなかったとして、塗装会社と同社代表取締役を安衛法違反容疑で長崎地検に書類送検した。外壁改修塗装工事現場で、塗装業務のために別業者から派遣されていた労働者が高さ2.7mの作業床から墜落し死亡したもの。(H28・7・1)
福島・相馬労基署は、墜落防止措置を怠ったとして建設会社と同社現場代理人を安衛法違反の疑いで福島地検に書類送検した。木造漁具倉庫新築工事現場で高さ約4mの桁に上がり火打ち材と呼ばれる補強材を取り付ける作業を行っていた労働者が桁上から地面に墜落する災害が起きた。(H28・7・5)
秋田・横手労基署は、労災かくしをしたとして警備会社と実質的経営者を安衛法違反容疑で秋田地検横手支部に書類送検した。労働者が交通誘導業務中に右踵骨折などの負傷をし、4日以上休業することになったのにもかかわらず、同労基署に労働者死傷病報告を提出しなかったもの。(H28・7・6)
秋田・横手労基署は、労災かくしをしたとして石材業の個人業者を安衛法違反の疑いで秋田地検横手支部に書類送検した。移動式クレーンの移動中に労働者がクレーンと墓地の外柵の間に挟まれ、骨盤などの骨折により4日以上の休業となったが、同労基署に労働者死傷病報告を提出しなかった。(H28・7・6)
千葉労基署は、スレート葺き屋根の踏み抜き防止措置を怠ったとして、建設業の個人事業主を安衛法違反容疑で千葉地検に書類送検した。建屋のスレート葺き屋根を撤去する工事で、労働者に高さ約5.25~5.55mの屋根上で作業を行わせていたところ、屋根を踏み抜き地面に墜落し、頭蓋骨骨折などにより死亡した。(H28・7・6)
福岡東労基署は、墜落防止措置を怠ったとして建設会社の代表者を安衛法違反の疑いで福岡地検に書類送検した。2階建て木造住宅の解体工事現場で労働者に2階屋根で瓦の除去作業を行わせていたところ、高さ約6mから墜落し死亡した。安全帯を使用させるなど安全措置を講じていなかった疑い。(H28・7・13)
奈良・大淀労基署は、タンク内への転落防止措置を講じていなかったとして、酒造会社と同社代表取締役社長を安衛法違反容疑で奈良地検に書類送検した。労働者に直径約2m、深さ約2mの日本酒の醸造タンクに貯留されているもろみを撹拌、採取する作業を行わせるに当たり、柵を設けるなどの転落防止措置を講じなかったためタンクに転落、窒息死したもの。(H28・7・15)
千葉・柏労基署は、機械の回転軸に覆い、囲いを設けていなかったとして、金属粉の製造加工会社と同社代表取締役を安衛法違反の疑いで、千葉地検松戸支部に書類送検した。労働者が自社工場内粉砕機の動力伝達用ベルトの取付け作業を行っていたところ、衣類が回転軸に巻き込まれ、頭部が同機械に激突し、死亡したもの。(H28・7・20)
岡山労基署は、ベルトコンベヤーの回転軸に覆い、囲いを設けていなかったとして、建材会社と同社工場長を安衛法違反容疑で岡山地検に書類送検した。作業員が砕石を運搬するベルトコンベヤーのローラー部周辺で清掃、点検作業を行っていたところ、回転していた回転軸に上着の背部が巻き込まれ死亡したもの。(H28・7・20)
岩手・二戸労基署は、車両系機械の接触の危険が生じる箇所に立入禁止措置を講じていなかったとして、林業の個人事業主を安衛法違反の疑いで盛岡地検に書類送検した。立木伐採作業現場で、原木を車両系木材搬出機械でつかんで旋回した際、原木が作業中の作業員の頭部に激突し、頭蓋骨骨折により死亡する労働災害が発生している。(H28・7・21)
滋賀・大津労基署は、無資格者に玉掛け作業を行わせたとして建設会社と同社代表取締役を安衛法違反容疑で大津地検に書類送検した。新築工事現場で棟上げ作業を行うに当たり、移動式クレーンを使用して梁材をスリング2本でつり上げて移動させていたところ、1本が切れて梁材が落下。仮設足場に直撃し傾いたため、足場で作業していた労働者が墜落し、重傷を負う労働災害が起きた。(H28・7・25)