【最近の書類送検事件】富山・魚津労基署ほか

2016.03.01 【安全スタッフ】
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 安全スタッフ、労働新聞の記者が全国で起きた書類送検を調査し、主な事件を掲載しました。カッコ内は、書類送検した日付。毎月1日号掲載。

 富山・魚津労働基準監督署は、機械の起動装置に表示板などを取り付けるなど、他の者が運転することを防止する措置を講じなかったとして機械加工製品製造の会社と同社製造部係長を安衛法違反の疑いで富山地検魚津支部に書類送検した。労働者がドラムクーラー内部に立入り点検作業を行っていたところ、別の労働者が機械を運転させたため、機械内部で高温の砂とともに回され死亡した。(H28・1・7)

 横浜西労基署は、労災かくしをしたとして建設会社と同社代表取締役らを安衛法違反容疑で横浜地検に書類送検した。移動式クレーンで荷下ろし作業を行っていたところ、労働者の頭部にぶつかり休業4日以上の労働災害が発生。代表取締役らは自社の資材置場で被災したとする虚偽の労働者死傷病報告を同労基署に提出していた。(H28・1・8)

 山口・徳山労基署は、立木の伐倒作業で合図を行わせ他の労働者が避難したことを確認した後でなければ、伐倒させてはならないにもかかわらず、これを怠ったとして林業の会社と伐木現場主任を安衛法違反の疑いで山口地検周南支部に書類送検した。樹高約26mの立木の伐倒作業を行っていたところ、20m離れた位置にいた労働者に激突して死亡する労働災害が発生している。(H28・1・8)

 愛媛・宇和島労基署は、移動式クレーンの定格荷重を超える荷をつったとして、建設用資材の販売会社と同社代表取締役を安衛法違反容疑で松山地検に書類送検した。移動式クレーンに負荷がかかった結果、クレーンが傾いたため、トラックの運転席屋根上で作業していた労働者が逃げようとして墜落し、死亡したもの。(H28・1・13)

 三重・伊賀労基署は、機械の起動装置に鍵をかけるなど他の労働者が機械を運転することを防止する措置を講じなかったとして、金属製品製造業の会社と現場責任者を安衛法違反の疑いで津地検伊賀支部へ書類送検した。労働者の頭部が搬送用機械に接触し重傷を負う労働災害が起きている。(H28・1・14)

 青森・むつ労基署は、道路改良工事現場で危険が生ずるおそれのある箇所に労働者を立ち入らせたとして、建設会社と同社現場責任者を安衛法違反容疑で青森地検に書類送検した。ドラグ・ショベルの作業半径内で一般車両の交通誘導を行っていた労働者がドラグ・ショベルのクローラにひかれ、左大腿部を切断する労働災害が起きている。(H28・1・14)

 千葉・木更津労基署は、昇降設備の未設置と作業主任者を選任していなかったとして、構造物工事請負業の会社と同社取締役を安衛法違反の疑いで千葉地検木更津支部に書類送検した。ビル屋上広告塔に設置した看板の解体作業を労働者に行わせていたところ、足場から10m下の屋上面に墜落する労働災害が起きた。(H28・1・14)

 東京・三鷹労基署は、検査業者と車両系建設機械のリース業者が結託して虚偽の書類を整えて特定自主検査を実施しなかった事案について安衛法違反容疑で、東京地検立川支部に書類送検した。建設工事現場で使用するドラグ・ショベルが期限切れで検査を行わなければならなかったのに、検査を実施したことを装った。(H28・1・15)

 島根・出雲労基署は、作業間の連絡・調整を怠ったとして建設会社の元請けと同社現場代理人を安衛法違反の疑いで松江地検出雲支部に書類送検した。トンネル内でダンプトラックが土砂の運搬を行っていたにもかかわらず、自社の労働者に切羽の点検をさせた。その際、ダンプトラックの車輪にひかれ骨盤から両脚にかけて負傷したもの。(H28・1・15)

 愛知・豊田労基署は、常時雇用する労働者として雇い入れたのに、雇入時に法定の項目について医師による健康診断を行っていなかったとして警備会社と同社代表取締役を安衛法違反容疑で名古屋区検に書類送検した。昨年8月3日、警備業務を終えた同社の労働者が熱中症で死亡している。(H28・1・19)

 茨城・水戸労基署は、労災かくしとフォークリフトの無資格運転をさせたとして段ボール函製造業の会社と同社代表取締役を安衛法違反の疑いで、水戸地検に書類送検した。代表取締役がフォークリフトを運転して、段ボールシート(組立前の板状のダンボール)を積む作業中、段ボールシートが崩れ、近くにいた労働者が被災する災害が起きている。代表取締役は、資格を持っていないことが発覚するのを恐れ、労働者死傷病報告を提出しなかった。(H28・1・20)

 岩手・二戸労基署は、伐木作業の危険防止措置を怠ったとして、林業の個人事業主を安衛法違反容疑で、盛岡地検二戸支部に書類送検した。労働者が伐木作業を行っていたところ、杉の木に引っかかっていた枝が落下し、頭部に激突。頭頂骨陥没骨折、急性硬膜下血腫により死亡する労働災害が発生した。(H28・1・25)

 大阪中央労基署は、足場の作業主任者を選任しなかったとして、とび・土工業の会社と同社代表取締役を安衛法違反の疑いで大阪地検に書類送検した。工事現場で防護棚(アサガオ)の組立て作業を行っていた際、防護棚が崩落して労働者2人が墜落。1人が死亡し、1人が腕の骨を折る労働災害が起きた。(H28・1・28)

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平成28年3月1日第2253号 掲載
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