【最近の書類送検事件】大阪中央労基署ほか
安全スタッフ、労働新聞の記者が全国で起きた書類送検を調査し、主な事件を掲載しました。カッコ内は、書類送検した日付。毎月1日号掲載。
大阪中央労働基準監督署は、作業主任者であったものの作業の指揮をしていなかったとして、鉄骨の組立て・解体業の個人事業主を安衛法違反容疑で大阪地検に書類送検した。労働者がモデルルーム新築工事現場の鉄骨の組立てを行っていたところ、脚立から墜落し死亡する災害が発生している。(H27・12・1)
札幌中央労基署は、墜落防止措置を怠ったとして清掃会社と同社事業部長を安衛法違反容疑で札幌地検に書類送検した。2階建事務所の窓ガラス清掃業務委託現場で、作業床を設けずに地上4mの高さの移動はしご上で労働者に作業させたもの。労働者が地面に墜落し、死亡している。(H27・12・2)
岡山・倉敷労基署は、特定化学物質作業主任者に作業指揮をさせていなかったとして、石油製品精製・販売会社と同社製油グループ係長らを安衛法違反の疑いで岡山地検倉敷支部に書類送検した。労働者が呼吸用保護具を着用せずにバルブを操作したところ、硫化水素を吸引し被災する労働災害が起きている。(H27・12・2)
愛媛・今治労基署は、クレーンでつり上げて荷を運搬する作業で、つり荷の下に立ち入らせない措置を講じなかったとして、船舶関連製造会社と指揮監督をしていた男性を安衛法違反容疑で松山地検に書類送検した。つり上げていた鉄板の一部が約15m下にいたタイ人の技能実習生に当たって死亡する災害が発生している。(H27・12・2)
札幌中央労基署は、エレベーターの扉が落下する危険があるにもかかわらず必要な措置を怠ったとして、解体業の会社と同社職長を安衛法違反の疑いで札幌地検に書類送検した。電動ホイストでエレベーターの扉をつり上げる作業で、エレベーターが落下、作業員に激突し死亡となった。元請けの現場担当者も指導を行わなかったとして送致されている。(H27・12・3)
長野・小諸労基署は、労災かくしをしたとして食品会社と同社取締役らを安衛法違反容疑で長野地検佐久支部に書類送検した。ゼリーを製造する機械にはさまれて右手人差し指を骨折するなど4件の休業災害について、同労基署に労働者死傷病報告を提出しなかった疑い。また、フォークリフトの無資格運転でも書類送検している。(H27・12・3)
岩手・釜石労基署は、合図者を置かずにクレーンの運転操作を行わせたとして、協同組合と代表理事を安衛法違反の疑いで盛岡地検に書類送検した。天井クレーンを使用して集成材をトラックに積み込もうとしたところ、集成材同士が振り子のようにぶつかり合い、トラック方向に落下。運送会社の労働者が集成材に激突し死亡した。(H27・12・7)
福岡・直方労基署は、重機の用途外使用をさせたとして建設会社と現場責任者を安衛法違反容疑で福岡地検飯塚支部に書類送検した。現場責任者は、ドラグショベルを使用して大型土のうをつり上げてダンプトラックに積み込む作業を行わせていた。ダンプトラックが後退したため、玉外しをしていた作業員がドラグショベルとダンプトラックにはさまれて死亡した。(H27・12・8)