【社労士が教える労災認定の境界線】第267回 トラックの荷台から落ちて右肩腱板損傷
2018.05.09
【安全スタッフ】
災害のあらまし
53歳のトラック運転手が、荷積み作業終了後にトラックの荷台から地面にバランスを崩しながら落ちた際、四つん這いのような状態で着地したため、右手を突き上げられた状態になり、右肩に痛みを発症し「右肩腱板損傷」と診断され、労災認定された。治癒後、痛みが出たため、「腱板損傷」が再発したとして療養補償給付を申請した。
判断
労働基準監督署長は、当初の事故時にMRI検査がなかったため損傷していたかどうかの証拠が乏しいこと、治癒後の日常生活において軽微な外傷もしくは非外傷でも中高齢者は腱板損傷を生じるものであるから労災認定できないとしたが、労働保険審査会は、落下による負傷が腱板損傷の原因だとして業務上災害として認定した。
解説
肩腱板とは、肩の表面に三角筋という大きな筋肉で覆われた部分の下の層にある骨と骨に挟まれている腱の複合体のことをいい、肩関節を回転させる役割がある。この部分の損傷は、…
執筆:一般社団法人SRアップ21 東京会
林社会保険労務士事務所 所長 林 弘嗣
◇SRアップ21:www.srup21.or.jp
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平成30年5月15日第2306号 掲載