【新春特別寄稿】“オープンな規制”を採用 近年の労働法改正で 不合理な条件格差禁止/荒木 尚志
2015.01.05
【労働新聞】
本紙では、新年特別号の巻頭論文として、荒木尚志東京大学大学院教授(労働法)に「今後の労働法制の展望」についてご執筆いただいた。正規と非正規の処遇格差を規制する新たな手法として登場してきた「不合理な労働条件の禁止」=オープンな規制手法の意義を明確にしている。「同一労働同一賃金の原則」を超越したものと位置付けた。
2014年(7~9月期平均)における非正規雇用の全労働者に占める割合は37.1%に達した。非正規雇用の不安定さや正規雇用との処遇格差が大きな政策課題となっている。実際、非正規雇用政策は07年および14年のパート労働法改正、12年の有期労働契約に関する労働契約法改正、12年の労働者派遣法改正、そして廃案になったが14年には同法改正案の提出などめざましく展開された。
同一労働同一賃金の原則を超越
こうした中で、昨年末の衆議院総選挙では雇用分野における1つの争点として同一労働同一賃金の推進が盛んに主張された。これは…
筆者:東京大学大学院法学政治学研究科 教授 荒木 尚志
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平成27年1月5日第2999号1面 掲載