【裁判例が語る安全衛生最新事情】第299回 F社パワハラ事件① 女性社員への嫌がらせで企業責任認める 長野地裁松本支部平成29年5月17日判決
2018.06.25
【安全スタッフ】
事件の概要
被告Y2社は、医療機器の販売を主な業務とする会社であり、企業グループの1つの会社である。三十数人の社員がおり、営業部門と管理部門とに分かれており、その本社に管理部門があり、代表取締役Y1は本社にいた。また、営業部門はK営業所、L営業所、M営業所に分かれていた。Y1は、他のグループ会社の代表取締役社長を経て、平成25年4月1日にY2社の代表取締役社長に就任した。
原告X1~X4は、Y2社の従業員で、いずれも女性。X1は、平成25年4月当時57歳で、経理総務係長の地位にあった。X2は、平成25年4月当時50歳代後半で営業統括事務係長の地位にあった。X3は、平成25年4月当時58歳で、K営業所2課で事務を担当していた。X4は、平成25年4月当時48歳で、K営業所の技術の事務を担当していた。X1~X3は平成25年7月16日に退職届を提出し、同年9月30日に退職した。X4は翌17日退職届を提出し、同年8月31日に退職した。
X1~X4らはY2から①パワーハラスメントを受けたとして、Y1に対しては不法行為に基づき、Y2社に対しては会社法350条に基づき損害賠償請求するとともに、②X2の受けた降格処分の無効、③X1、X2の受けた平成25年夏季賞与の減額の効力、④退職金の金額(自己都合退職か、会社都合退職か)につき争った。…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成30年7月1日第2309号 掲載